広告資料館 2012年2月

2012年2月「サンウッド」Dezpla.com広告資料館-見本

今月のチョイスは三つ折りの観音開き広告です。仏具を安置する厨子を開くように左右に開くことから観音開きと呼びます。新聞折り込み広告には二つ折りくらいまでは比較的多く見受けられますが、それ以外の折はパンフレットなどに使う事が多く、折り込み広告には珍しいタイプです。三つ折りのパンフレットは開きの左右の違いもありますが、大きく分けて巻き三つ折り、外三つ折り(蛇腹折り)、三観音折り、の3種です。ただ一枚の紙を折るだけではなく表紙から2回開く事でそれぞれの局面を変え新しい世界を見せる工夫が出来る事が特徴です。どの方法も全部で6面の切れ変わりがあり、小さな6ページの冊子と考えると良いでしょう。巻三つ折りは1回目の開きで裏の3分の一が残り、2回目で中の全てが現れます。それに対して、外三折りは表と裏を同時に表示する場面はありません。ですので、裏と表の情報が全く違う場合や、裏面は1色の印刷などに向いています。どちらも紙の三分の一が表紙になりますが、版下の作り方が違いますので注意が必要です。
今回の広告は観音開きとして左右に二つの違う物件のマンションの情報を配し、開いて更に詳しい情報を与えるスタイルで、共通部分を中心にするなど、とても工夫に富んでいます。ただ、残念なのは左右を開いたときに左右の情報がクロスしていることです。図のようにしてみたら、一層読む人に驚きを与えられたのではないかと思います。それにしても二つの違う情報を一つにまとめる工夫はデザインの次のステップとして、とてとても参考になる広告です。

※開いた状態のイメージ



三折りの基本形態