広告資料館 2012年9月「サミットスーパー」

今年は9月後半まで残暑が続き、秋の商戦が不発のためか、今月の新聞折り込みは広告戦略的に参考になりそうな物が少なく、チョイスに困りました。今月選んだ広告はスーパーのいわゆる「ちらし」です。スーパーの折り込みは毎日新聞に大量に入っていますが、少し毛色が違います。普通スーパーのチラシはもっと商品がぎっしり詰まって派手なコピーが並んでいるのではないでしょうか。ビジュアルは高級スーパー系の手法のようです。よく見ると「ネットスーパー」の折り込みです。この折り込みのように、折り込みからWebサイトへの誘導はいろいろなジャンルで最近よく見る手法です。ネットの広告をチラシから誘導の必要があるユーザー。この層は確実に存在し、かなり反応も確実に出ているのでしょう。現段階は紙媒体広告とWeb広告の過渡期なことがよく分かります。
この折り込みでもう一つ注目する点は色使いです。この様に断ち切りの印刷物には紙面のすみに小さく色の玉を見ることがあります。
これを色玉と言い、印刷の際に色がずれないような基準にするために敢えて紙面の中に置くことがあります。通常4色で印刷するのですがこの広告にはプラス1色が入っているのが分かります。高級品によく見る印刷方法ですが、この折り込みに限ってはこの一色が全体をくすんで鮮度の低い印刷にしている様に感じます。ネットスーパーとしてのアイデンティティが確立されていない今、高級なのかお手頃なのか訴求ポイントが決まらず、広告の手法としても過渡期な事が分かるような一つの折り込みでした。