広告資料館 2014年2月

2014年2月 小林音楽教室

今月は東京都内にある音楽教室の新聞折り込みです。線描のピアノのイラストを中心にキャッチを縦書きにして、情報をL字型に置いた優しく見やすい広告です。ただ、明るいブルーの背景に白い筋の様な物が見えます。これは印刷の「裏写り」と言う現象です。原因は、印刷用紙の厚み不足と、各面印刷色の濃さの問題です。今回はレイアウトやデザインの話では無く、印刷、特に紙に付いて触れたいと思います。
印刷の際、広告作成前に考え無くてはならないのが、紙の大きさ、紙質、紙の厚み、印刷部数、印刷方法等です。制作に際して、まずは印刷条件を決める必要があります。
紙のサイズについては、新聞折り込みは四つ折りした新聞紙の中に収まればどの様な大きさでも良いのですが、新聞折り込みは「B4版257mm×364mm」を標準としています。大きさやページ数によって料金が違うので気を付けたいところです。
本日のテーマ紙の厚みですが、紙の厚みを表示する方法が2種類存在していて、混乱を招く結果になっています。一つは純粋に紙の厚みをマイクロスコープで測り0.05mm(トレーシングペーパーなど)〜0.5mm(ボール紙など)です。インクジェットプリンタの用紙などこの厚みの表示が多いのでは無いでしょうか。次の方法が印刷で使われている「連量(れんりょう)」と言う方法です。これは、4/6版(しぶろくばん)788mm×1091mmの紙を1,000枚重ねた時の重さで厚みを表示しています。(一部例外もあります)50Kgと表示がある紙と200Kgと表示のある紙とでは数字が大きい方が厚みがあることになります。折り込み広告の印刷で使われる紙厚は50Kg〜130Kg程度が主ですが、50Kg〜70Kgではかなり紙が薄く今回の広告のように裏のデザインが干渉してしまいます。大量に印刷をする際に紙の厚が薄ければ印刷料金を押さえる事ができますし、あまり厚い紙では二つに折れないなどの問題も出ます。厚ければ良いのでは無く、目的に合わせた種類や厚みの紙を知る事もデザインの大切な要素です。