広告資料館 2014年3月

KINOKUNIYA「佐賀フェア」

このKINOKUNIYの折り込みは、毎回とても良い写真を使っていることを感じます。デザインは「佐賀」フェアからS字を描いたカーブで手前の「きんかん」「でこぽん」まで綺麗に視線を誘導しています。所々画像合成で、まとめていますが基本は1枚の画像を中心に構成しているが分かります。全体のトーンもイエローのグラデーションの背景で統一されています。今まで、直線的な視線誘導には何回か触れていますが、曲線的な視線誘導はとても恣意的な構成になり、自然に見せるのは難しく、とても参考になる広告だと思います。
バラバラに物撮りした画像を切り抜いて合成するにしても、自然な仕上がりに見せる事は難しく、大きなプロットが無くてはカメラマンも撮影できませんし、効果的な成果物にはなりません。その点この広告はとてもデザインの意図通り撮れている様に感じます。しかし、逆にビジュアルに頼りすぎた広告は訴求ポイントがずれてしまいます。ここにも少し訴求ポイントのズレが顔を出しています。柑橘類の名前の表示の置き方や、したの情報への繋ぎ方に丁寧さに欠ける部分が有ります。特にタイトルロゴの作成に意味不明なルールがあり、デザインを壊しているように見受けます。とてもまとまった広告ですが、文字の周辺の意識は最後までデザインに影響することを教えてくれています。