広告資料館 2012年11月「プジョージャポン」


今月はフランス製乗用車の広告です。最近では国産車の折り込みはすっかり元気がなくなってしまいましたが、外車は円高のメリットがあるのか、とても元気な広告を展開しています。今回取り上げたのはタイトルのロゴの細工が面白かったからですが、この様なデザイン処理は1960年代に流行った手法に似ています。「ザ・ビートルズ」のラバーソウルのタイトルや「ザ・モンキーズ」のロゴなどとても鮮烈で日本のデザイナーにも大きな影響を与えました。その後あまりこの様にタイトル回りにデザイン処理をする事が無くなっていたのですが、久々に目にして、懐かしさと新しさを同時に感じました。
ただ、少し気になる点はアプリケーションのツールに頼ったデザイン処理ですので、全く同様のタイトルを作る事が出来ない事が問題です。(頑張れば出来ると言われそうですが)再現性生産とでも呼ぶのでしょうが、アートに於いては全く同じ物を作る必要性はありませんが、個人的にはデザインには再現性が必要と思っています。会社のロゴやマークが作るたびに違っている様では信頼性そのものを失ってしまいます。有名な「チュッパチャップス」キャンディーのロゴはアーティストのダリの制作と言われていますが、見事に再現性のあるロゴになっています。この処理が必ず同じように出来るのであれば賛同出来ますが、アプリケーションに寄る遊びの要素が多い、一過性の物であれば、デザイン的には残念と言わざるを得ないでしょう。
今後この様なタイトルロゴなどが増えてくるのか、この広告だけの物なのかこれから毎日折り込みを見る楽しみが一つ増えたようです。