広告資料館 2013年10月

2013年10月 ケン・コーポレーション 「クレストコート砂土原」
今月は大きな台風が複数襲来し、日本各地に被害がありました。地下街や地下鉄は防災対策は十分と言っていますが、対策のそれを上回る被害を予想することは難くないでしょう。少しだけ気を付けたいと思いました…そんな気象状況とは関係はないでしょうが、今月の折り込み広告はここ数ヶ月に比べて数量的に少し落ちている様に感じました。
さて、今月は不動産のマンション広告です。一目でシンメトリーを重視した作成であることが分かります。シンメトリーに付いては2012年12月「伊勢丹」でも少し触れたいますが、デザイン的な使い方は数学的な使い方とは違い、垂直な中心線に対して左右対称を主にシンメトリーと呼んでいます。この広告も建物の入り口を中心に左右に黒い円を配し、「今週末オープンルーム開催」までをシンメトリーの構図で構成されています。良くも悪くもシンメトリーは安定する構図ですので、広告で使う技法として多様を避けたい部分です。なぜなら広告の目的は消費行動への誘導や、製品の記憶・告知が主な物で、安定的な紙面からは最終的に伝えたいその目的を達成するのは難しいからです。今月の折り込みはその部分上手く処理しています。上部はシンメトリーで安定感を与え、下部の情報部分は左右のボリュームを分けています。さらに気が付くことは、問い合わせの電話番号が紙面中心に有りしっかりアンカーの役目を担っています。初心者のデザインにありがちな綺麗で安定した広告に安住しない上手い作りです。